上海のような大都市では、人口の多さと絶え間ない人の流れのため、医療をはじめとした公共サービスが限界に達してしまうことがあります。特に新型コロナウイルス のような危機的状況が発生した際に、政府・企業は国民の安全を確保するためにアクションすることが求められます。
上海市は、パンデミック、テロ、災害などの危機に素早く対応する体制作りに力を入れています。しかし、そのためには、IoTセンサーの導入、データ収集・処理システム、変化に対応する継続的なアップデートとメンテナンス等に膨大なコストがかかります。上海市で稼働するエレベーターの総数はニューヨークとロンドンを足した数より多いと言われ、政府は既に設置されたセンサー・インフラを活用することが得策であると考えました。
中国大手IT企業であるINESAは、上海で稼働する25万台以上のエレベーターをリアルタイムに監視することで建物と人々の安全を確保することに挑戦しました。これを実現するために、INESAは、最新のエレベーターに搭載された多数のセンサーから取得される毎秒何百万ものイベントを処理し、リアルタイムに対応できるプラットフォームを必要としていました。
新型コロナウイルスの脅威は、世界中のビジネスと人々の生活に大きなインパクトを与えています。この事態に対応するため、INESAはエレベーター内の人のマスクの着用状況と体温を検知・計測できるようアプリケーションを更新し拡散を封じ込めようとしています。 これは、VANTIQプラットフォームが提供する高い開発生産性や柔軟性をなくしては迅速に対応することは極めて難しく膨大なコストと時間を必要としていたでしょう。
INESAのクライアントは、ビジネスメリットを導入直後すぐに実感。エレベーターのダウンタイムの50%短縮と保険料の40%削減を実現しました。
エレベーターシステムの状態をリアルタイムで監視することで、機械的な故障が発生した場合や、建物内に武器を持った人などの脅威が検出された場合にリアルタイムに警告することも可能。また、人工知能や機械学習などのテクノロジーを応用し、予知保全・予防保全をより細かく行うこともできるでしょう。