IoTの大きなメリットとして、エッジコンピューティングがスポットライトを浴びつつあります。IoT(モノのインターネット)に接続されている何十億ものデバイスが毎日オンラインになっていることを考えてみてください。膨大な情報が生成されているのです。ある試算では、データ量は5年以内に79.4ゼタバイトにまで急増すると予測されています。80ゼタバイトのデータをDVDに保存したとすると、そのDVDで地球を100回以上周れる計算になります。
企業から発生するデータが、従来の集中型データセンターやクラウドではない場所で作成・処理されるようになるに連れ、エッジコンピューティングをうまく活用して、この膨大なデータを効果的に処理する必要があります。
イベントドリブン・アーキテクチャを正しく使えば、その高い効率性とセキュリティーを活かしながら、データフローを処理することができます。このシステムにより、企業は瞬時にレスポンスを受け取ることができるようになるのです。また、新しいデータを自由に利用して、よりスマートな意思決定をリアルタイムで行うことができるようになります。
残念なことに、まだ時代はそこまで追いついていません。IoTデバイスがデータをクラウドに送り返すのに、時間もコストもかかっています。エッジを活用しているデバイスはかなり少ないと言えます。代わりに、多くのデバイスがクラウドにデータを転送しています。そうすることで、最短でも約25ミリ秒のネットワーク遅延が発生しているのです。
これまで技術者は、ビッグデータを大量に収集して保存することがよいことだと考えてきました。クラウドコンピューティングのモデルが大規模データセット向きであることを考えれば当然のことかもしれません。しかし、それらすべての情報をどのように収集して保存するのでしょうか。クラウド上にすべての情報をプッシュするにはデータが多すぎます。では代わりにエッジで作業してみてはどうでしょうか?
イベントドリブン型システムのシステム構造によって、システムのどのコンポーネントをエッジで実行するかを動的に決定することができます。残りのコンポーネントは、各領域または中央処理の環境にデプロイされたままになります。この様にシステムを動的に構成することで、様々なトポロジを持つエッジ環境に最適化され実行することができます。
幾つかのコンポーネントを単発で利用しているケースもありますが、まだ体系化はされていません。これでは、組織がシステムインテグレータの役割を担う必要があります。そうではなくて、エッジやIoTの活用をもっと気軽に行える様になるべきです。