2020年は、前例のない社会的・経済的な激変の年であり、早く乗り越えることを誰もが願っていました。しかし同時に、将来起こりうる自然や人為的な脅威や課題に備えなければならないという警笛を鳴らした年でもありました。
幸いなことに、私たちはコンピューターの能力と機能という面において、次の飛躍的な進歩のごく初期段階にあります。私たちはリアルタイムシステム時代の最前線にいます。グローバルなデジタル神経システムが人間と連携して、より安全かつ安定した、より豊かな世界をモニターし管理する時代です。
固定電話収入の激減にともない、通信事業者は1世紀以上に渡って多様化に取り組んできました。Business Insiderによると、アメリカ政府が2023年までにスマートシティソリューションに年間9000億ドル近くを投資する可能性もあるとのことです。つまり、スマートシティだけでも巨大な社会的チャンス・ビジネスチャンスになるでしょう。
通信事業者は、安全で信頼性の高いネットワーク接続を提供するだけでなく、リアルタイムシステムに不可欠なカメラ、ウェアラブル、あらゆるタイプのセンサー類など、文字通り数十億ものIoTデバイスのプロビジョニングと管理をリードすることができます。通信事業者はこのような洗練されたシステムの構築・運用・保守に必要なソフトウェアプロバイダーやインテグレーター、その他の様々な関係者と既に密な関係を築いています。
通信事業者をポールポジションに押し上げている技術的基盤に、マルチアクセス・エッジ・コンピューティング(MEC)というものがあります。この分散型アーキテクチャは、コンピューティング機能やデータセンター機能の一部を、データセンターやクラウドからネットワークのエッジに押し出しています。そして、エンドユーザーや数十億台のIoTデバイスにその機能を近づけることで、大量のデータをリアルタイムにエッジでフィルタリングして処理することを可能にします。それ故、システムが瞬間的に反応することができるので、重要なイベントの管理に役立ちます。
これはほんの始まりに過ぎませんし、私たちは迅速に行動しなければなりません。通信事業者はネットワークの信頼性を向上させ、深刻なサイバーセキュリティ問題に対処し、さまざまなシステム間の連携を推進させる必要があります。これは通信事業者だけの課題ではなく、今すぐに、世界中の電気通信リーダー、ソフトウェア開発者、幅広いITコミュニティーが一丸となって協力し合うことで、より安全で安定した、より豊かな世界を創造を推し進めることができます。