石油・ガス業界では、万全を期していてもメキシコ湾原油流出事故に代表されるような事故が発生しかねません。
これらの災害による損失は何十億ドルにものぼり、環境汚染だけでなく人命が失われることもあります。
石油・ガスの最大手であるTotalは、環境汚染と人命損失にそれまで以上真剣に取り組みこのような事態が起こらないようにTADI(Total Anomaly Detection Initiative)グループを設立し、重大事故防止のための対応策の実現に乗り出しました。
Totalは、潜在的に危険な状況(ガス漏れ等)を瞬時に検知し対応するシステムの構築に着手。しかし、多数の技術要素を組み合わせたソリューション開発は複雑で時間とコストがかかり過ぎてしまいます。石油・ガス業界のリスクが高い環境で人命救助を目的としたソリューションでは、柔軟性と迅速性が必要であると認識したTotalは、代替策となるアプリケーション開発プラットフォームを検討していました。
TotalのTADIプロジェクトの最大の目的は、重大事故を未然に防ぎ人命を救うことです。 Totalは、Vantiq上でアプリケーションを開発することで、さまざまな技術(作業員のGPSトラッキング、サーマルイメージ、音センサーなど)を統合して、オペレーションの全体像をリアルタイムに把握することが可能になりました。これにより、Totalは小さな問題が大きな問題に発展する前に対処することができます。
同業界での過去の災害が示すように、被害はインフラの被害額よりもはるかに大きいです。環境への影響は長期的に続く可能性があり、人命が失われるリスクもあります。リアルタイムアクションへ移行することで、大災害が発生するリスクを低減し、危険を知らせるイベントが発生した場合には人命が失われないような手順を整備することができました。
また、事故や怪我が減ることで、医療費用やインフラの修理費用が減るというメリットもあります。
施設で稼働する機器関連は正常に動作している状態から突然故障することはほとんどありません。多様なセンサーデバイスから連携されるストリームデータをVantiqで処理・モニタリングすることで指定の閾値を超えた場合にオペレーターにアラートを通知することができ、重大な事故を防ぐ最善のアクションを判断することができます。